枚方寝屋川消防組合が7月に管内の消防署で「訓練披露会」を行いました。
3年ぶりに7月23日に行われた「第50回消防救助技術 近畿地区指導会」の出場を前にして、その取り組み内容を関係者に公開したものです。(今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で一般公開はなし)
近畿地区指導会の出場種目は「水上の部」と「陸上の部」があり、それぞれ別日程で公開されました。
水上の部(枚方東消防署)
7月11日に「水上の部」が行われたのは、枚方東消防署です。
採用説明会の記事でもお伝えしたように、枚方東消防署には大阪府の消防署では珍しいプールが併設されています。これは淀川の水難事故などに備えて整備されたもの。
藤中明広消防長の挨拶によると、近畿地区指導会に出場する隊員達は24時間勤務の傍ら、非番日などを活用して3ヶ月以上の訓練を重ねてきたのだとか。
公開された5種目の多くは、頭を水面につけない「じゅんか飛び込み」で始まりました。
常に顔が水面に出た「基本泳法」で泳ぐことで、目標を注視し続けることができるそうです。今年は枚方寝屋川消防組合では初となる女性の隊員も参加しました。
溺れた要救助者を搬送する種目では、
後ろから近づいて要救助者の気道を確保。
そのまま要救助者の髪の毛を持った状態で泳いでいました。このような手法を用いることにより、溺れた人を安全に救助することができるようです。タイムも驚きの29秒台でした。
水中で見つけた要救助者を水面に引き揚げて搬送するのには、救助用ロープを使った手法もあるようです。
陸上で思い切り救助用ロープを引く隊員は、とてもパワフルでした。
他にも障害物(救命浮環)を突破しながら水中に沈められたものを見つける「水中検索」などがありましたよ。
訓練披露前は管理者の伏見枚方市長が、披露後は副管理者の広瀬寝屋川市長が隊員を激励しました。
陸上の部(寝屋川消防署)
陸上の部は7月15日(金)に寝屋川消防署の訓練施設で公開されました。
陸上の部の動画↓
動画の前半の「障害突破」は、災害現場の様々な障害を5人1組(うち1人は補助者)で突破する訓練。
梯子がないと無理に見える青い壁を仲間の力を借りて乗り越えたり、ロープを渡ったりする姿は、超人的でした。最後の煙のトンネルも、なかなかの閉所だったのではないかと思います。
動画の後半の「ロープブリッジ救出」は、逃げ遅れた要救助者を奥の建物からロープをつたって救助しました。
「引揚救助」の動画↓
陸上訓練の3種目目は、地下やマンホールなどに転落した要救助者を救出する「引揚救助」。
隊員がロープを使って素早く降下・登はんする姿は、とても格好良かったです。
訓練披露後には、中井正明警防部長が「3年ぶりに開催される近畿地区指導会に向けて、気合の入った良い訓練だった」「4月からの訓練で心・技・体を鍛え、隊員同士の絆も深まった」「指導会当日まで自分や仲間を信じ、当日を迎えて欲しい」などと講評しました。
近畿地区指導会の結果
7月23日に兵庫県神戸市で行われた「第50回消防救助技術 近畿地区指導会」には、大阪府下・兵庫県下にある50の消防本部が参加しました。
近畿地区指導会の記録は、神戸市消防局の公式サイトで公表されています。
枚方寝屋川消防組合から全国大会への出場者は出ませんでしたが、日頃の訓練の成果を発揮することができたようです。
こういった日々の訓練と、たゆまぬ努力が有事の際に力になってくれるのは頼もしいですね!
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