寝屋川市では、市内の交通の利便性を図るために「乗合い事業」、「バス利用促進事業」を実施するため、大阪タクシー協会と京阪バスとの連携協定を締結しました。
今回の施策は、大阪タクシー協会と連携した「乗合い事業」と、京阪バスと連携した「バス利用促進事業」の二つの事業を同時に開始するというものです。
より市民の交通の利便性を図り「第三の公共交通網」として機能するように、との狙いがあります。
それぞれの事業について以下で説明します。
■乗合い事業 事前登録や予約などは必要なく、その時その時の要求に応じて利用者の自宅から区域内のバス停およびスーパー、病院などにタクシーで運搬する。 ・対象地区 成田、仁和寺、河北地区 ・運行日時 月曜日〜金曜日の平日 9時〜17時 ・対象者 70歳以上のシルバー世代、妊婦、身体障がい者など ・利用料金 地区内:無料 地区外:1人300円 ・ルート 自宅から地区内の施設など※地区外は市の指定する場所に限る(バス停留所、スーパー、病院など)
■バス利用促進事業 通常230円の路線バスを、現金100円で利用できる「バス利用券」(10枚綴り)を配布する。(1人最大3冊まで) ・対象地域 市内全域(市域内のバス停留所から乗車または降車する場合のみ) ・対象者 70歳以上のシルバー世代、妊婦、身体障がい者など ・利用方法 バス利用券+路線バスの運賃との差額分を現金で支払い(例:230円区間の場合、バス利用券と現金100円を運賃箱に投入) ・使用期間 1年間(2021年4月1日から2022年3月31日まで)
2019年から寝屋川市で行われているねやがわ乗合いワゴンでの実証結果を踏まえ検討したところ、市が運用する車だと台数が限られてしまうということが懸念点のひとつでした。
しかし、タクシー業界・バス業界との競合を避け、三者が連携を取ることでより利便性を向上させるねらいがあるとのこと。
寝屋川市長によると、寝屋川市は1960年に人口が5万人でしたが、15年後の1975年には25万人まで増加し、人口増加率が日本一になるという時代を経験したそうです。
その当時、寝屋川市に移住した若い世代の方々が70〜80代になってきていることもあり、寝屋川市高齢化率は29.6%と、府の平均27.6%よりも高く、シルバー世代が増加しています。
今回の事業を立案するにあたり、「第三の公共交通網」として運用するためにより利便性の高いものを検討したとのことでした。
今後は、運用状況などを踏まえてエリアの拡大も検討するそうですよ。
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※「にっしー」さん、情報提供ありがとうございました!