寝屋川市の樹脂加工会社「走れメロス」がプロ野球・オリックスバファローズに所属する山本由伸投手の練習道具「フレーチャ」の開発に携わっています。
山本投手(Wikipedia)は、昨年最も優秀な先発完投型の投手に贈られる沢村賞を受賞した球界を代表する選手です。沢村賞以外にも多くのタイトルを獲得し、オリックスの25年ぶり13回目の優勝にも貢献しました。
<過去に沢村賞を受賞した主な投手>
・松坂大輔投手(西武など)
・ダルビッシュ有投手(日本ハムなど)
・田中将大投手(楽天など)
・前田健太投手(広島など)
・菅野智之投手(巨人)
<山本投手の2021年シーズンの主な成績>
・18勝5敗、防御率1.39、6完投、4完封
・タイトル:最多勝、最高勝率、最優秀防御率、最多奪三振、沢村賞
・MVP
・ゴールデングラブ賞
・ベストナイン
山本投手は陸上競技のやり投げに似た競技「ジャベリックスロー」のターボジャブを投げる練習を取り入れてきましたが、より野球に適した物を開発することになったのだとか。
山本投手の新しい練習道具「フレーチャ」の開発にどのように携わったのかを「走れメロス」(本社:寝屋川市葛原1丁目)の常務取締役の方にご協力をいただき、お話を伺いました。
-御社はどのような会社でしょうか。
樹脂加工をメインに行なっているメーカーです。
通常は作るものが決まっている場合が多いと思うのですが、弊社は「こういうものが欲しい」という要望にそって一緒に作っていけるのを強みにしています。「こういう形状はどうですか」「こういう素材がありますよ」みたいな感じで提案させていただき、単品の生産から量産まで請け負うことができます。
-山本選手の練習道具を開発することになったきっかけを教えてください。
弊社は製造業の中小企業が集まる交流拠点「ガレージミナト」の一員であり、野球用品会社のプロスペクトさんと弊社を含む3社(走れメロス、ハング、成光精密)で新しい練習道具を共同開発したいという依頼がありました。
山本選手が取り入れている練習は、肩や肘に負担のかかりにくい体の使い方を覚えたり、正しいフォームで投げられているかを確認したりする効果が期待できます。
野球のボールを投げている感覚に近いものにするために、フレーチャはジャベリックスローのものより10cmほど長くなりました。また先端の部分の重心も計算して設計されています。
-開発に苦労した点を教えてください。
開発にあたっては強度や素材の選定にこだわりました。机の上の高さぐらいから落として耐久テストを行う製品は多いのですが、遠くへ投げる製品はあまりないので耐久性をもたせるのに苦労しました。
また先端部分の重心を決めるのにも苦労しました。
自分達がテストをするだけでなく、体の使い方に詳しい先生に投げてもらったり、試作品を何種類も作って山本投手本人に選んでもらったりしました。山本選手本人に使っていただいているだけでなく、1本9900円(税込み)で市販もされているので、関心のある方は手にとってみてください。
-インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。
ありがとうございました。
〜インタビュー終了〜
寝屋川にこのような会社があるというのは、新たな発見なのではないでしょうか。企業の枠を超えて様々な分野に強みを持つ会社が協力しあっているのも、画期的な試みと言えそうですね。
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※「7Nan」さん、情報提供ありがとうございました!(情報提供はこちら)