京阪本線連続立体交差事業(寝屋川市幸町〜枚方市岡南町の約5.5km)の鉄道本体工事が2022年度から始まります。
21か所の踏切を廃止するこの事業は2013年12月に事業認可され、2014年度から用地買収が進められてきましたが、用地の取得率が2021年12月末の時点で約87%に到達(大阪府の事業概要より)。次の段階の鉄道工事に移るものです。
鉄道工事着手に先立ち2022年1月に地元説明会が計11回開催され、3月からは工事概要資料が周辺住民に配布されています。
説明会の資料や動画は大阪府の公式ホームページにも公開されていて、線路の切り替え方法や騒音対策、工事車両の進入路などが分かるようになっています。
今回の記事では寝屋川市内の区間(第1工区、第2工区、第3校区の一部)の工事概要を説明していきたいと思います。
第1工区
第1工区は国道170号線(外環状線)〜旧国道170号線の区間です。
第1工区は仮線方式と別線方式を用いて高架が建設されます。
(1)仮線方式:一旦線路を仮移設し、元の線路があった場所に高架を建設する方法
・国道170号線〜寝屋川6号踏切(旧イオンモール寝屋川付近)
・北田井踏切〜旧国道170号線(寿町付近)
(2)別線方式:新たに取得した用地に高架を建設する方法
・寝屋川6号踏切〜北田井踏切(田井小学校、田井西公園、第三中学校付近)
仮線方式の区間では線路を一旦東側に移し、上り線(京都方面行き)の高架を建設。上り線が高架に切り替わったら、下り線(大阪方面行き)の高架橋を建設する手順です。
別線方式の区間では、現在の線路の西側に上り線の高架が建設されます。(上り線が高架に切り替わったら、現在の上り線の跡地に下り線の高架を建設)
第1工区では工事車両の出入口を国道170号線(外環状線)側と北田井踏切(三中前)に限定することにより、田井小学校の通学路への影響を少なくする計画です。
また緑町で行われる仮線用の盛り土の工事は、旧イオンモール寝屋川側から工事車両が出入りする模様です。
第1工区の現在の様子は、以下の通りです。
以前より沿線に更地が増えてきているのが分かります。
第1工区の工事概要は動画でも紹介されているので、詳しくはそちらをご覧ください。
第2工区
第2工区は旧国道170号線〜香里園駅〜府道148号木屋交野線の区間です。
第2工区では線路を東側に一旦移し、現在の線路跡に高架(駅付近は高さ17m)が建設されます。
工事説明会の資料(PDFファイル)によると、香里園駅の仮駅舎はフレスト香里園店(2021年12月に閉店)の跡地に建設されます。現在の駅舎の部分には、横断通路が2本(改札内と外の1本ずつ)架けられる予定です。
線路が仮線に移れば、香里園駅南側にある踏切の距離が長くなるため、以下のような安全対策が行われるのだとか。
・上り線(京都方面行き)と仮下り線(大阪方面行き)の間に滞留地帯を設ける
・香里園駅に改札外の横断通路を設ける
仮線の跡地には最終的に府道21号八尾枚方線が整備されるのに伴い、旧国道170号線も平面化されます。(高架は現在の旧国道170号線の上を通る計画)
説明会の資料では、沿道の私有地との取り付けについても言及されているようです。
香里園駅以北の区間では、府道21号線を東側に移設して仮線を設置。線路跡や府道21号線跡に高架が建設されます。
第2工区の工事概要は動画でも紹介されているので、詳しくはそちらをご覧ください。
第3工区
第3工区の寝屋川市内の区間も、線路を東側に一旦移す仮線方式で工事が進められます。(枚方市内の区間は別線方式)
高架化が完成すると、府道21号線に歩道や右折レーン(府道148号線との踏切付近)が設置されて安全性が向上するのだとか。
第3工区の工事の進め方などは動画でも紹介されているので、詳しくはそちらをご覧ください。
事業概要(PDFファイル)によると、今後の予定としては2022〜2024年度に準備工事や仮駅舎の建設。2024〜2027年度に現駅舎の撤去や仮線路の設置を行い、仮線路の切り替えは2027年度を予定しています。
線路の高架化は2028年度(当初の事業認可期限)以降にずれこむ見込みで、具体的な完成時期については、仮線を切り替える目途が立った時期に改めて公表するとのこと。
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※「かほりちゃん」さん、情報提供ありがとうございました!(情報提供はこちら)