大阪大学が寝屋川市と共同で行った研究で「健診でも医療機関でも腎臓の検査を受けていない高齢男性は透析のリスクが高い」という結果が出たことを明らかにしました。
寝屋川市と大阪大学の発表(10月26日)によると、これまで健診を受けていない人は死亡のリスクがあることは報告されていたものの、透析治療が必要な末期腎不全に及ぼす影響については不明だったそうです。
そこで大阪大学キャンパスライフ健康支援センターの研究グループ(芦村龍一特任助教と山本陵平准教授らで構成)は、寝屋川市の国民健康保険と後期高齢者医療制度の加入者6万9147人を5年間追跡することにより、検診の有無が及ぼす影響について調査。
その結果、過去1年間に健診を受けた人と比較して、健診でも医療機関でも腎臓の検査を受けていない人は、透析に至るリスクが高いことが明らかになりました。
〈検査を受けていない人の透析に至るリスク〉
・男性:1.66倍
・女性:1.51倍
・75歳以上の高齢男性:2.72倍
特に75歳以上の高齢男性については、透析のリスクが2.72倍に上昇していたのだとか。
これにより、末期腎不全を予防する上で、健診でも医療機関でも腎臓の検査を受けていない高齢男性は、健診の受診勧奨の重点対象候補となることが期待されると結論づけられています。
この研究成果は、国際科学誌「Scientific Reports」に26日(火)18時から掲載されています。
英語の原文を読むと、以下のような寝屋川市に関する記述が出てくるのが分かります。
・These data originate from the municipal government of Neyagawa City, Osaka Prefecture, Japan(これらのデータは大阪府寝屋川市役所に由来する)
・Neyagawa City had a population of 242,087(寝屋川市の人口は24万2087人)
・the health guidance in Neyagawa City(寝屋川市の健康指導)
※Scientific Reportsを抄訳
研究の概要のみの紹介となってしまいましたが、寝屋川市民の統計データを元に行われた研究が国際科学誌に掲載されたのは大変興味深いですね。
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