子育て世代と広瀬慶輔市長が直接対話する「市長と楽しく子育てトーク会」(タウンミーティング)が7月12日(火)に開催されました。
このトーク会は、市長と直接対話しながら子育てに関する日々の困りごとや課題を共有、把握し、今後の施策に反映することで、子育てしやすいまちづくりにつなげることを狙ったものです。
寝屋川市では、2019年度に全市民を対象としたタウンミーティングを実施していますが、今回のような世代を絞っての実施は初めてとなります。
第1回目が行われたのは、寝屋川市立子育てリフレッシュ館「リラット」(RELATTO)です。
子育てトーク会には、市内在住の妊娠中または小学校就学前の子どもを持つ保護者の方(対面8名、オンライン3名)と、2月に子どもが生まれたばかりの広瀬市長が参加しました。
最初に挨拶した広瀬市長によると、1960〜70年代に人口が急増した寝屋川市では、近年高齢化と人口の減少が進んでいて、年齢構成のバランスを再構築することが課題になっています。
子育て世代を呼び込むために様々な子育て支援策を行っているだけでなく、ここ数年寝屋川市の学力順位が上がっていることや、独自の手法でいじめの撲滅に取り組んでいることも、子育てしやすいまちづくりにつながると考えているのだとか。
広瀬市長の挨拶が終わると、各参加者が質問をする形でトーク会が進められました。
~育児休業について~
参加者:育児休業を取得したのですが、雇用保険を使っても収入が8割に減りました。子どもを育てている状態で収入が減るのは大変なので、市が補助する制度を作ることはできないでしょうか。
市長:面白い視点だと思います。本来は国にやってもらわなければいけないことで予算の問題もありますが、育児休業を後押しするメッセージにもなります。アリだと思います。
~待機児童問題について~
参加者:1〜2人目の間隔がかなり空いているので、2人目の優遇措置が受けられません。早生まれの子どもは保育園に入りにくく、4月まで待つことになりましたが、待機児童扱いになりませんでした。保育園の地域的な偏りも感じています。
市長:寝屋川市の待機児童は年度中も含めて0ですが、これは厚生労働省の基準によるものです。希望した保育所に入れないなどの「隠れ待機児童」は存在すると思います。
希望したところに入れるようにするためには、各保育所に余剰を作っておく必要がありますが、それにはお金が必要です。その余力をお金で解決するか、仕組みで解決するかの問題になると思います。仕組みの解決に取り組んでいるところで、今後の宿題にさせていただきたいです。
~学校の35人学級について~
参加者:上の子が小学校に通っていますが、35人学級でもまだ多いと感じています。今後も減らしていく予定はありますか?
市長:寝屋川市は独自に35人学級をやっていましたが、国もやるようになりました。国の35人学級は学年進行に合わせて段階的に引き下げられていますが、国がやるようになったことで浮いたお金で、拡充の検討はできるかもしれません。
学級編成の引き下げにはまあまあお金がかかるので、効果がどれだけあるかの検証も必要になってくると思います。
~公共施設の地域的な偏りについて~
参加者:子育て支援施設が香里園から遠いです。なんとかなりませんか?
市長:リラットがこの場所にあるのは、元からある市の土地を活用できたという行政側の都合も関係しています。公共施設の配置は「市民の事情<行政の都合」となっている面があると思います。
寝屋川市の公共施設は現在、市役所本庁舎や保健福祉センターなどに分散して不便な状態になっていますが、これらの機能を寝屋川市駅前に集約する「市民サービスのターミナル化」を進めています。
中央図書館は昨年寝屋川市駅前に移転したことで利用者数が倍になりました。
今後は駅前庁舎(大阪電気通信大学駅前キャンパスだった建物)に市民サービスの機能を移す予定です。人口が減るなか公共施設のトータルの床面積を減らしながら、行政サービスの向上に取り組んでいきます。コストを抑えつつ「市民の事情>行政の都合」となるようにしていきたいです。
~慣らし保育について~
参加者:慣らし保育が2週間しかないのは、短いと思います。他市は1ヶ月あるところもあります。
参加者:私は2週間でも長いと思います。杓子定規でやらない方法もあるのではないでしょうか。
市長:慣らし保育期間の総量が変わらなければ、一律にしない方法も行政としては検討できるのではないかと思います。
~保育園の情報発信について~
参加者:働いていると保育園の開園状況が分かりづらいです。
市長:寝屋川市は市立学校のコロナ感染状況をホームページに公表しているので、保育所も市の公式ホームページで一目に確認できるようにすることはできる気がします。メールねやがわ(安全・安心メール一斉配信サービス)などでも情報は確認できますが、他の情報も入って行きて煩雑な面があると思います。
寝屋川市は学校のコロナ感染状況をフルオープンにしています。そのことにより、登校するか自宅でオンライン授業を受けるかの判断が自分でできるようになっています。市立学校の児童・生徒は約1万6000人いますが、そのうち3000人が「授業のライブ配信」によるオンライン授業を選びました。
~コロナ対策について~
参加者:コロナ対策としてキャッシュレスの還元サービスはやりますか?
市長:昨年やりました。水道の基本料金の期間を定めた無料化などもやりました。
コロナ対策として行った給食費の無償化は、1年で約10億円かかります。この施設の建設費が7億円ほどだったので、金額の大きさをお分かりいただけるのではないかと思います。お金を何に使うか、内容によっては教育本体にお金を使った方が効果的なケースもあると思います。
よく「若者と高齢者のどちらにお金を使うのか」と聞かれますが、二択ではないと考えています。左回り、右回りという考え方もできると思います。若い人を呼び込めば税収が増えて高齢者にもお金を使うことができます。
学研都市線沿線に若い人を呼び込む「二軸化構想」に取り組んでいて、隈研吾氏が設計した四中校区で建設中の小中一貫校も、その1つです。
~学校の児童数について~
参加者:五小の児童数がとても多いのですが、不均衡ではありませんか?
市長:均衡か不均衡かと言われれば、不均衡だと思います。市南部には1学年1クラスしかない小学校もあります。
この問題は各小学校だけでなく、市全体で考えていく必要があると思います。小学校は地域に密着した公共施設となっていて、地域活動などにも関わってくるので、校区は簡単には変えられない実情があります。
子育てトーク会は保護者の方、寝屋川市ともに、貴重な情報交換の場になった様子でした。
「市長と楽しく子育てトーク会」は、7月20日(こどもセンター3階多目的ホール)、7月30日(寝屋川市駅前図書館おはなし室)にも開催される予定です。(参加の申し込みは6月19日に締め切り)
【地図】リラット
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