優れたデザイン性や良好な居住環境を有する建築物を表彰する「第1回ねやがわ建築賞」の授賞式が11月20日(土)、開催されました。
「ねやがわ建築賞」は、市制施行70周年記念事業として今年初めて企画された賞で、新たなまちの魅力の発見やイメージアップなどにつなげる狙いがあります。
<募集の概要>
・募集内容:新築又は改築、改修等が行われた建築物(住宅含む)で、2018年1月1日から2021年5月31 日までに竣工又は完成し、現在も使用されているもの。
・募集期間:2021年7月1日〜8月31日
・対象者:建築主(所有者)、設計者
・応募部門:新築部門、リノベーション・リフォーム部門
・選考方法:選考委員会で選考(第1次審査:書類審査、第2次審査:建築物内部を含む現地審査)
第1回目の今回は募集期間に「新築部門」で21件、「リノベーション・リフォーム部門」で7件の応募があり、その中から6件が受賞作品(市長賞1作品、特別賞1作品、優秀賞4作品)として表彰されました。
授賞式が行われた場所は、寝屋川市駅東口にあるアルカスホール(寝屋川市立地域交流センター)です。
はじめに広瀬市長がこの賞を創設した経緯や意義について挨拶しました。
〈市長の挨拶〉
・寝屋川市は人口急増期に転入してきた世代の高齢化が進んでいて、子育て世代の転入を進める必要がある。
・若い人を呼び込むために町全体のリノベーションを進めたい。
・2023年度には寝屋川公園駅方面に隈研吾氏が設計した小中一貫校が開校する予定である。
・独創性のある建築物を表彰することで市民の見本となる効果が期待できる。
・空き家のリノベーション・リフォームの推進や不動産の流通促進が進めば、市の住環境に関するイメージの向上などが期待できる。
・応募期間中に素晴らしい建築物の応募があった。
・設計者の皆さんには様々な知見をいただいて寝屋川市の発展に協力していただければ。
続いて登壇者の紹介があり、そのまま受賞作品の発表に入りました。
優秀賞は4作品(新築部門:3作品、リノベーション・リフォーム部門:1作品)です。
優秀賞の1つ目は「内に開く家」、
2つ目は「四畳半キューブの家」で、ともに民家でした。「優れた独創的なデザイン」「居住環境の形成」「敷地全体のデザイン」「環境への配慮」などが選考委員会で評価された模様です。
3つ目の「SINKO AIR DESIGN STUDIO」(宇谷町)は、2020年8月に館内の様子をお伝えした新晃工業の空調設備を展示するショールーム。
リノベーション・リフォーム部門の「三井C団地リノベーション『ニコイチ』」も姉妹サイト・枚方つーしんで2019年11月にご紹介したのと同じ間取りです。いずれも詳しく知りたい方は、リンク先の記事をご覧ください。
優秀賞の4作品は壇上で建築主に1万円・賞状及び受賞記念品が、設計者には賞状が贈呈されました。
続いて特別賞(2部門共通で1作品)を受賞したのは「図と地のリノベーション」です。こちらは寝屋川市駅前のマンションをリノベーションした物件です。
住民の方は「住み始めて1年3ヶ月経つが、寝屋川市に住んで良かった」「駅前の中央図書館には家族で入り浸っている」と地元住民の視点も交えながらコメント。設計士の方は「こちらの提案がほぼそのまま活かされたので設計士冥利に尽きる」、委員の方は「限られた空間をリノベーションした点などが評価できる」などとコメントしていました。
特別賞は建築主に3万円・賞状及び受賞記念品が、設計者に賞状が贈呈されました。
最後にご覧いただく市長賞(2部門共通で1作品)は「同志社香里園中学校・高等学校メディアセンター 繋真館」です。
このメディアセンターは図書館環境とICTの機能を融合させた機能や、既存の校舎同士を屋上の広場でつなぐ設計などが評価されました。
学校関係者の方は「建設場所も含めてプロポーザルで設計者を選定した」「中庭に建設されることになったのだが、樹木を残す形で提案されたのが良かった」「素人の教員が出す理想を現実問題にすり合わせてよくまとめていただいた」「コロナが収まれば保護者を始めとする色々な人に見てもらいたい」などとコメント。
設計士の方も「丘陵地で各校舎の高さが異なる点を考慮する必要があった」「オンライン会議は限界があったので、何度も学校に通った」「先生方には貴重なお時間を割いていただいた」などと述べている様子でした。
市長賞は建築主に10万円・賞状及び受賞記念品が、設計者に賞状が贈呈されました。
最後に前田委員長の総評、受賞者の記念撮影があり、授賞式は終了しました。
授賞式は1時間ほどでしたが、寝屋川市内にある優れた建築物を知ることができ、良かったです。
【地図】アルカスホール
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