兵庫県西宮市には、香櫨園(こうろえん)という阪神電車の駅があります。
京阪沿線に住む寝屋川市民にとっては馴染みの薄い場所ですが、寝屋川の香里園という地名は、この香櫨園に由来すると言われていて、香里園にとってはいわば先輩格のようなものなのです。その香櫨園という街はいったいどのような所なのでしょうか。
先輩を敬うべく?現地まで行って、その町並みを見てきました。場所はこちら
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寝屋川から行く場合、いったん梅田まで出てから阪神電車を利用します。西宮まで特急に乗り(梅田から3駅目)、そこから普通電車に乗り換えて1駅目となるのが「香櫨園」です。
阪神電車に乗ることはあまりないので、山陽姫路行きや近鉄奈良行きといった電車が通るのがすごく新鮮です。京阪よりもバリエーションに富んでいますね。
第一印象は、こじんまりとした小さい駅ながらも、めっちゃお洒落な印象を受けます。
それもそのはず、この駅のデザインは、1993年まで86年間その姿を残していた旧駅舎のレトロなイメージを踏襲したものだそうです。
香櫨園という駅名は、同時に開業した遊園地の名前(開設者の姓を一字ずつ取ったもの)から来ています。遊園地は大正2年に廃園されたため、住所表記といった地名に香櫨園の名称は存在しないものの、駅名や小学校名に残っているのだとか。
駅の下には夙川が流れていて、公園になっていました。駅前は、すごく静かな感じです。
国道2号線に突き当たりました。道路の沿線は公園の静けさとは一変してかなり都会的で、さすが寝屋川の倍近くの人口がある西宮市といった感じです。
夙川公園は更に北へ続きます。というか、この公園は、河口近くから山の手までずっと続いているみたいです。
こんな公園が何キロも続いているなんて、本当にエエ街ですね。春になると、桜が綺麗に咲く名所となっています。その光景の美しさは、JRの新駅ができた時に「さくら夙川駅」と名づけられたほどです。
JRのガードをくぐって、阪急夙川駅まで行くわけですが、夙川駅は本当にすぐでした。
香櫨園の範囲を逸脱してしまっている(どちらかというと、香櫨園は海側を指すようです)ので、香櫨園駅に戻ります。特筆すべき点として、香櫨園駅周辺には、資料館や美術館があります。
美術品に興味がない人でも、美術館のある街並みには好印象を抱くはずですよ!
そう言えば、駅の南側には、阪神高速神戸線と、国道43号線が通っていました。駅周辺は静かながらも、自動車交通の便は良いと思います。
一通り書いた所で、香櫨園の説明は、この辺りにしましょうか。
正直言って、飲食店やパチンコ店の多さなど、繁華さでは香里園が勝っていると思います。山の手の住宅街も後発の香里園の方が大規模で広いし、駅も香里園の方が大きいです。しかし、明治時代の外観を引き継いだ駅舎や、美術館のある街の雰囲気といった、文化的な面では香櫨園に分があるのではないでしょうか。梅田や三宮まで十数分といった京阪沿線にない便利さも捨てがたいです。
沿線も変われば、街の雰囲気も変わるものなんですね。両地域とも、地名の由来となった遊園地が現存しないという共通点も面白いです。
以上、香櫨園の現地レポートでした!
【関連項目】
・香櫨園駅(wikipedia)
・西宮市大谷記念美術館(wikipedia)
・夙川公園(wikipedia)