目指すは製造業の「ドラえもん」!?電子機器製造業なのに飲食業にも参入した会社【ねやつーコラボ】

北大阪商工会議所×ねやつー
始まります!


地区内における商工業の総合的な改善発展を図り、社会一般の福祉の増進に資することを目的としている商工会議所と、寝屋川の地域情報を日々発信している寝屋川つーしんのコラボ企画がスタートします!

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北大阪商工会議所。

一度は聞いたことがある人が多いとは思いますが、「一体何をしているのか?」「どんな企業が参加しているのか?」といったことまで知っている人となると数はぐっと減るのではないでしょうか。

少しでも身近に感じていただけたらと、北大阪商工会議所に入会されている企業を月に1度のペースでご紹介していきます!

記念すべき1回目、フォーカスさせていただくのは交野市の電子機器製造業 東邦システム株式会社 代表取締役の西田 輝さんです。

電子機器製造業から飲食業に参入。コロナ禍でも異例の挑戦
〜東邦システム株式会社〜

東邦システム株式会社 代表取締役 西田 輝氏(52)

西田氏は制御設計開発、製造、自動化ライン製造、プリント基板設計開発まで、あらゆる電子機器製造のプロフェッショナルだ。設立から48年、果敢に事業拡大に取り組んできた。

西田氏が目指してきたのは、製造業の“ドラえもん”だという。“あんなこといいな、できたらいいな”という顧客の要望に対して、開発から製造、仕入れ業務まで全ての工程を一貫して担い、実現してきたことが一番の強みだと胸を張る。

そんな“ものづくり一筋”の企業が、3年前、飲食業に新規参入。ほどなくして、新型コロナウイルスの感染拡大に襲われた。コロナ禍で多くの飲食店が苦境に立たされる中、新たな挑戦を続ける西田氏の姿を追う。

製造した集積回路

スローガンは、「NOと言わない企業」

まずは、東邦システム株式会社について紹介したい。

スローガンは、「NOと言わない企業」。常にお客様のニーズを実現し、それ以上のものを提供することにこだわってきた。

開発、購買、製造、検査、修理などのプロフェッショナルを集めた各部門を社内に据え、あらゆるノウハウを持ち合わせているのが何よりの財産だと西田氏は誇らしげに語る。

それによって、お客様の想像を超える提案が実現できるという。

例えば「リンゴを作りたい」という受注を受けたら、ただリンゴを作るだけではなく、リンゴに会社名を入れましょうとか、コードを入れて、どんな生産者なのか、どんな環境で生産されたのかを消費者に伝わるようにしましょう、といったプラスアルファの提案をして、付加価値を提供している。同社が取り扱う分野は、実に多岐にわたる。
アグリ、医療、公共事業、電車、飛行機、バス、自動車関係…とあげればキリがない。

得意とするセンシング技術などを活用して、さまざまな社会課題の解決に寄与している。

農業の担い手不足という課題に対しては、畑に気温や湿度、土壌に含まれる養分や水分の状態を観測できるセンサーを設置、農家がPCで管理し、必要な場合のみ実際に畑に行けばよくなった。

水道管など公共インフラの老朽化が全国的な課題となる中、各地の自治体で新たに架橋ポリエチレン製の水道管への転換が進められており、そうした工事で必要な融着装置を製造している。

さらに、食品の異物混入を防ぐ搬送システムや、医療分野でのワクチンや献血におけるFA(ファクトリーオートメーション)化も実現している。

この他にも、鉄道などの上級クラスの車両で使用されるリクライニングシートの制御も開発。人間工学に基づくモーターを12個も設置し、背中、腰、足のバランスをとりながら、より快適な座り心地を実現するなど、我々の暮らしをより豊かにするような技術も同社の強みだ。

ものづくりから、なぜ飲食店!?きっかけはアジア進出

高い技術力を誇り、製造業一筋で歩んできた西田氏が、なぜ全くの異業種である「飲食業」に参入したのか。異例の挑戦に見えるが、西田氏の話を聞くと、会社を大きく発展させてきた中で、必然の流れだったのかもしれない。

西田氏は、10年前、アジア進出の足がかりに、輸出入の会社や機械商社を新たに設立し、中国などに拠点を設けた。アジアの国々に足を運ぶ中で、西田氏は、「日本食」の人気の高さを実感する。

丼ものや居酒屋メニューが特に人気で、原価500円ほどのカツ丼が3,000円で売れる世界を目の当たりにしたという。

そして、経営者として「今までのやり方で本当にあっているのか、他のやり方はないのか」見つめ直していた時期でもあった。著名な経営者が「異業種にチャレンジすべし!」と語る言葉も胸に響いた。

そんな中、十分な経験を積み自分の店を開きたいという料理人との出会いも重なって、新たに飲食店を開くことを決意。2018年にTMフーズ株式会社を設立した。

商工会議所のつながりが大きな後押しに

新たなビジネスを始めるにあたって、商工会議所の横のつながりが大きな後押しとなったと、西田氏は語ってくれた。商工会議所交野支所内に事務局がある交野市工業会の会合で、定期的に顔を合わせる工務店との縁で、西田氏が理想とする店づくりが実現できたという。

異業種からの参入だからこそ、西田氏は、新たな切り口での戦略を立てた。
西田氏が目指す店は、落ち着いて食事ができる割烹。でも、いきなり夜の割烹を開いても無理だろう。

そこで考えたのが、昼のお弁当。

交野市内を見渡すと、コンビニも、飲食店もそれほど多くない。しかし、会社や事業所はたくさんある。

そこで働く人たちは、手軽に昼食が買えるコンビニやレストランがないから、昼にお弁当をとっている。そこにチャンスを見出し、美味しいお弁当で営業をかけ、味を気に入ってもらえれば、夜の割烹に誘客できると考えた。

知り合いの会社に、お弁当を持参して営業をかけたり、工業会の会合でも紹介したりして、販路拡大を図った。

和食や寿司店で経験を積んだ料理人の米井伸太郎さんが、一品一品手作りしたお弁当は、美味しいと評判を呼び、順調な滑り出しだった。

しかし、2019年3月の開業からほどなくして新型コロナが猛威をふるい出す。
西田氏は、「バブル崩壊もリーマンショックも乗り越えてきたから大丈夫。コロナ禍での商売は、大変なこともあるが前向きに捉えている」と強気に語る。

創作和食店「三日月」

2021年3月には、交野市星田北に移転、創作和食店「三日月」をオープンさせた。先述の工務店に店舗改装を依頼し、西田氏が目指していたカウンターベースの落ち着いた雰囲気の店に仕上がった。
感染拡大が続く2022年2月現在は、昼のお弁当の販売が中心だが、一日150食ほど配達している。

メニューは、幕内、日替わり、カレーの3種類を用意。
この日の幕内は、白身フライと豚のチリソー ス、日替わりは、サバと鶏の唐揚げ、と常にメインが2種類。
素材は地産地消を基本とし、付け合わせのおかずも全て手作りというこだわりだ。充実したメニューで、値段は450円(税込)。

夜の営業が再開できれば、1日1組限定の完全予約制で、店内の生簀で泳ぐ新鮮な魚や石焼ステーキなどのコースメニューを提供する。

刺身には、店長自らがスモークさせた自慢の醤油を提供するなど、細部にまでこだわる。

コースのデザートにと、交野ブランド「カタノのチカラ」にも認定されているセイタカヨシの粉を使ったわらび餅も開発中だ。本格的な夜の営業が待ち遠しい。

50周年を控えて目指すものは

東邦システム株式会社は、2年後に創業50周年を迎える。その節目に合わせて、西田氏は、ホールディングス化に向けた社内の整備を進めている。

手仕事の生産ライン

ホールディングス化についても、商工会議所からより専門的なアドバイスを受けることができる機関へ橋渡しをした。

西田氏は、開発設計部門、購買部門、製造部門など各部門を法人化することで、それぞれの分野でのさらなる成長につなげたい考えだ。
苦労して成功したら、その分見返りがある、そしてさらにもっと大きなことができるといった好循環を生み出したいと語る。

昨今、フードロスや再生可能エネルギーが注目され、いかに省エネを図るかが各企業の課題だ。まずは、修理、メンテナンス部門に力を入れる。いち早くこの部門を法人化し、自由度を持たせる。

修理は、製品の延命のための修理ではなく、製品のバージョンアッ プ、品質向上の一環と捉えている。

丁寧に手で仕上げられる製品

そして、壊れやすい箇所、丈夫な箇所のデータを取得し、同社内の購買、製造、開発設計の各部門からの見解と合わせて、お客様に提案を行う。それが製品の次のバージョンの信頼性向上につながると考えているのだ。

さらには、同社の設計製造製品だけではなく、他製品にも修理メンテナンスを通して提案していきたい考えだ。

50周年をステップに、より一層の成長を目指す東邦システム株式会社と、今後の「三日月」から目が離せない。

そして、壊れやすい箇所、丈夫な箇所のデータを取得し、同社内の購買、製造、開発設計の各部門からの見解と合わせて、お客様に提案を行う。それが製品の次のバージョンの信頼性向上につながると考えているのだ。

さらには、同社の設計製造製品だけではなく、他製品にも修理メンテナンスを通して提案していきたい考えだ。

50周年をステップに、より一層の成長を目指す東邦システム株式会社と、今後の「三日月」から目が離せない。

東邦システム株式会社
〒576-0017
大阪府交野市星田北1-34-10
TEL:072-892-0100
公式サイト

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