早子町にあるアルカスホールで1月15日(土)、有名ミステリー作家の有栖川有栖さん、綾辻行人さん、今村昌弘さんらが参加する講演会イベントが開催されました。
今回は私ゆうぽん@ねやつーが実際にイベントを見に行ってきましたのでその様子をお届けしたいと思いますー!
まずはイベントの概要から↓
今回のイベントは寝屋川市の市制施行70周年記念と、中央図書館開館記念として開催された『オーサービジット(『オーサー(作者)ビジット(訪問)』)』講演会です。
開催が決まったことは以前にも記事に↓
今回はミステリー作家3人が各々の作品や地元図書館の思い出などについてのクロストークを通して、市民に「本を読んでみたい」という気持ちを膨らませてもらったり、読書に興味を持ってもらえたりすることを目的としているんだとか。
そんな感じでやってきた会場のアルカスホール。
開場は13:30からで、講演会開始は14:00から。私は13:30すぎに到着したんですが、一般席は感染対策で1席空けて座るよう案内されていたということもあり、すでに席はかなり埋まっていて2階席にも案内されている様子でした。
ちなみに今回は寝屋川在住者限定で150人定員だったんですが、事前申し込みにはなんと439通もの応募があったそうですよ。
そして14:00! いよいよ開演です。
まずは広瀬市長の登壇。寝屋川市の市制施行70周年記念と中央図書館開館記念として今回のオーサービジットを開催したことや、中央図書館の紹介、子どもたちに身近に本に触れ合うきっかけになってほしい、といった挨拶をされていました。
ちなみに、市長は同じ日に開催されたイベント「高倉とんど焼き」(こちらはマー君@ねやつーが取材)にも出席していた模様。忙しそう!
そして、いよいよ先生方の登壇! テンション上がる!
ここで出席された先生方を簡単にご紹介します。
有栖川有栖(ありすがわ ありす)
本格ミステリーの代表的な作家。2003年「マレー鉄道の謎」で第56回日本推理作家協会賞、2008年「女王国の城」で第8回本格ミステリ大賞を受賞。
以降、作品のメディアミックス多数。
推理作家・有栖川有栖と 犯罪学者・火村英生のコンビが活躍する「火村英生(作家アリス)シリーズ」は、開始後20年以上となる今も人気を誇り、2018年吉川英治文庫賞を受賞。
最新刊は「捜査線上の夕映え」(→有栖川有栖 創作塾のTwitter)
綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
同じく本格ミステリーの代表的な作家。1987年に「十角館の殺人」でデビュー。1992年「時計館の殺人」で第45回日本推理作家協会賞を受賞。
以降作品のドラマ、映画化などメディアミックス多数。
2015年には文豪を擬人化した人気ファンタジー『文豪ストレイドッグス』に史上初の現役作家のキャラクターとして登場。
最新作は2020年刊行の「Another 2001」。(→綾辻行人 公式Twitter)
今村 昌弘(いまむら まさひろ)
2017年「屍人荘の殺人」 で第27回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。
同作は第18回本格ミステリ大賞を受賞するなど、各社のミステリーランキングで4冠を達成。2019年には映画化され神木隆之介、浜辺美波、中村倫也などが出演。コミカライズもされるなど、新鋭気鋭なミステリー作家。
2021年広瀬すず、櫻井翔らが出演したテレビドラマ「ネメシス」に脚本協力として参加。
最新作は「兇人邸(きょうじんてい)の殺人」(→今村昌弘 公式Twitter)
と、ざっくりとしたご紹介ですがこんな感じ。ミステリー好きじゃなくても、1つくらいは作品を見たり聞いたりしたことがあるのではっていうくらい有名な方たちばかり!
ちなみに、私は今村昌弘先生には1度会ったことがありまして、2020年に寝屋川の錦町にあるBar ADOさんで「ホラー怪談」のイベントがあった際に寝屋川在住の作家・最東対地さんらと共にゲストでいらしていて、その際にご挨拶させてもらいました。
そんな感じで、ミステリーな講演会スタートです!
それぞれ先生方が簡単なご挨拶をされたあと、講演がはじまりました。
司会進行にはミステリー評論家として有名な佳多山大地さんが。今回は「中央図書館開館記念」ということもあり、まずはそれぞれの『図書館での思い出』についてを質問。
有栖川先生、綾辻先生は学生時代に図書館を利用した思い出を語っていました。今では資料などは購入するため図書館を利用する頻度は少なくなったようですが、作家になる前に本との出合いを果たした思い出はやはり図書館だったそう。
綾辻先生は「寝屋川はそういった(住民サービスの)施設などがとても充実していますね」などとおっっしゃられていました。
今村先生は学生卒業後、社会人の傍ら30歳近くなってから執筆活動に専念したという経緯から、大人になってからも図書館はよく利用していたみたい。
そのほか、「図書館を舞台にしたミステリーといえば?」などの会話もありつつ、その後はメインの対談的なお話に移ります。
今村先生からは、デビューからの作品作りにおいて有栖川先生・綾辻先生の作風に多大な影響を受けた、というようなお話が。
それに対して、有栖川先生・綾辻先生ともに「報酬もらいたい」「僕らを参考にしたっていう逸話は長く語り継いでもらいたいね」などどジョークを交えつつも(笑)、朗らかな雰囲気!
また、今村先生の作品を読んだときは衝撃を受けた、よく作り込まれているなと感心した、などといったコメントがあり、有栖川先生・綾辻先生ともに高く評価している様子でした。
また、トリック・ストーリー作りにおける苦悩やミステリー作家ならではの「あるある」な悩みなどをお互いに共有したり、共感しあったりと大変盛り上がる場面もちらほら。
逆に今村先生からは、お二方に対して「シリーズものにおける考え方」などを質問するシーンも。名探偵がいて助手がいる、といった、いわゆる『ホームズとワトソン』のような関係性を軸にしたシリーズ作品には「それならでは」の難しさもあるみたい。
綾辻先生は「シリーズには良し悪しがあって、良いところは特定のファンが付きやすいところ。悪いところは新規の読者は敬遠しがちになってしまうところ」などとコメントされていました。
また、作品内において「キャラクターが年をとるかどうか」、「現代を舞台にするか・過去の時間軸で進めるか」といったテーマもなかなか深いみたい。
そんななか有栖川先生の最新作「捜査線上の夕映え」は現代と地続きでリンクするストーリーのためコロナ禍の世相を反映したシーンも描かれているそうで、そのあたりが「とても斬新に感じた」というような感想もでていました。
そんな感じでそれぞれの作品の感想を交えつつも、作品設定の裏話やこぼれ話なども語られたりと、ミステリー好きであれば胸アツなお話がたくさん続きまして、気づけば閉演時間の15:30間近。
「もうちょっと時間延長できますか?」と綾辻先生自らおっしゃられ、終了予定時間を30分ほど延長するなど、ある意味異例の盛り上がりを見せ、16:00ごろ終演。たっぷり2時間の講演でした!
こういったオーサービジット型の講演会では、来場者からの質問会やサイン会といったお楽しみがある場合も多いみたいなのですが、今回はコロナの影響もありそういったイベントはなしでした。
サインもらいたかった! またいつか機会があれば……!
そんなこんなで今回のイベントレポは終了です。
中央図書館には今回の先生方の作品をはじめ、たくさんミステリー作品が置いてあるみたいなので、これを機に読んでみるのも良いですね!
以上、「オーサービジット講演会 図書館でミステリー」レポートでしたー!
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