枚方寝屋川消防組合の寺岡秀幸消防士長(35歳)が10月24日に開催された「第19回AJAFオールジャパンアームレスリング選手権大会」のA-1(有力選手)一般ライトハンド55kg級に出場し、見事優勝しました。
寺岡消防士長は11月7日に開催された「第38回JAWA全日本アームレスリング選手権大会」の57kg級でも優勝していて、2大会の最軽量級を制覇した形です。(大会結果:AJAF、JAWA)
今回は寺岡消防士長が所属する枚方消防署中振出張所(枚方市南中振1丁目)に伺い、色々とインタビューすることができたのでご紹介いたします。
本日は宜しくお願いいたします。(記者は寝屋川つーしん、枚方つーしんのほか、新聞社の方などが含まれています。)
こちらこそ宜しくお願いいたします!
まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。
私は2009年に枚方寝屋川消防組合に入職しまして、現在は消防担当としてタンク車に乗るなどの勤務をしています。主に警防業務及び予防業務(消防設備等についての立入検査)などの仕事に取り組んでいます。
消防を目指したきっかけは何でしょうか。
小さい頃からスポーツをしていたことから、これまで培ったことを仕事に活かしたいと考えました。また市民から目に見えて感謝される仕事に就き、市民を守って行きたいとも考えました。
アームレスリングを始めたきっかけを教えてください。
中学校・高校は野球部、大学はレスリング部に所属していました。大学時代にレスリング部の先輩から誘われたのと、腕力に自信があったことから、アームレスリングの大会に出るようになりました。
消防士になってからも日々トレーニングを行い、週に1回アームレスリングの練習場にて練習しています。
消防の仕事は3交代制なので、休みの日もトレーニングしやすいメリットを感じています。
具体的にどのようなトレーニングを行うのでしょうか。
消防の仕事にも活かせる筋力を鍛えるのはもちろんなのですが、アームレスリングに必要な右手の親指側の筋肉をチューブをかけて鍛えたり、腕の筋肉を1箇所1箇所を意識して鍛えたりもしています。
試合で「どこの筋肉を動かすか」を意識することは難しいので、意識せずに必要な筋肉を動かせるように練習します。
勝手ながら消防士はもっと体重が重い人が多いイメージを持っていました。
体重が軽くても消火活動等に必要な力があれば問題ありません。
私は普段体重が60〜61kgあるので、試合前にはボクシングのように減量して挑んでいます。小さな地方大会では強い相手と対戦して課題を探すために、階級を上げて出場することもあります。
全日本の試合に出場した時のことを詳しく教えてください。
10月24日のAJAFの大会は、A-1(有力選手)一般ライトハンド55kg級に11人の選手が出場しました。敗者復活戦があるダブルイルミネーション方式のトーナメント戦に出場して無敗で優勝することができました。
・AJAFの全日本選手権(10月24日)
1回戦 〇
2回戦 〇
準決勝 〇
本戦決勝〇
決勝 〇
11月7日のJAWAの大会の一般ライトハンド57kg級では、本戦を無敗で勝ち上がったものの決勝戦で敗者復活戦の優勝者に1本取られてしまい、勝った方が優勝という2本目を取って優勝という厳しいものでした。数秒で勝敗が決まった試合もあれば、40秒以上均衡した試合もあります。
・JAWAの全日本選手権(11月7日)
1回戦 〇
準決勝 〇
本戦決勝 〇
決勝(1本目)●
(2本目)〇
2大会で優勝できた要因があれば、教えてください。
私は昔から継続して努力するのが得意だという自負があります。追求すればするほど創意工夫できるのが強みではないかと考えています。
技術面に関しては実際に手を組んで説明しましょうか。
お願いいたします。
他社の記者が説明されているのを見ているだけではよく分からなかったのですが、詳しく内容を聞いてみると、
・筋力で闇雲に倒そうとするのではなく、体の重さをいかにして効率よく手に伝えるかで自ずと強い力が生み出せること。
・相手からの力の伝わり方に応じて、自分の戦い方の意識を変えていること。
・相手の腕を自分側へ引き込むという動作でも、普通に引く意識で引き込むのと、自分の腕を上に突き上げることで相手の腕が自然と自分側へ引き込まれるのでは相手が感じる印象が違う。
との内容でした。
「アームレスレスリングは奥が深いです。技術とパワーが必要で、力だけのスポーツではありません。」の意味が分かった気がしました。
せっかくなのでマー君@ねやつーと一緒に取材に行ったガーサン@ひらつーが腕相撲に挑んでみました。
レディ〜、ゴ〜!
最初は片手で勝負に挑んだのですが、寺岡さんはびくともせず。
プライドを捨てて両手で応戦しますが、それでもびくともしません。寺岡さんは、涼しい顔で防戦する立場です。相手に怪我をさせないように本気は出しません。
体全体で力を入れても勝てない状態が1分以上続いたでしょうか。
ついに寺岡さんが力を入れ始め、
カンカンカン〜!試合終了です〜。ガーサン@ひらつーは息を乱しながら「重機と戦っているみたいだった」という感想を残しました。詳しい感想は姉妹サイト・枚方つーしんで紹介されているので、そちらの記事もご覧ください。
「勝負を挑まれることはあるのですか?」という質問に対して、寺岡さんは爽やかに「自分より体重が重い消防士からもよく挑まれます。でも右手で負けたことはありません。」ということでした。
個人的には持たせていただいたメダルが重かったのが印象的でした。
寺岡さん、お忙しい中取材にご協力いただきありがとうございました!
【地図】中振出張所
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