新型コロナウイルスのワクチンの予防接種が4月以降に始まるのに備えるため、寝屋川市が集団接種の訓練を3月14日(日)、実施しました。
寝屋川市は市内の医療機関で行う「個別接種」と公共施設などで行う「集団接種」の準備を進めていて、集団接種訓練の実施は改善点(会場の設営、受付、問診、接種の安全・確実さやスピードなど)を発見する狙いや広報的な意味合い(広報ねやがわ4月号などで公開)があるようです。
寝屋川市の報道発表資料によると、今回の訓練の参加者は寝屋川市医師会の医師(10人)、寝屋川市薬剤師会の薬剤師(4人)、地域の住民(約20人)、市の職員(約20人)の総勢約60人。池の里市民交流センター(池田西町)の体育館が会場として使用されました。
訓練が始まったのは、午前10時20分ごろ(会場の設営は午前8時から)。会場のレイアウトは、以下の通りです。
接種を受ける人は反時計回りに移動する動線です。(今回は撮影の都合上一部のついたてが省略されています。)
↑検温・消毒を済ませてから(1)のエリアに向かいます。
↑1人目は広瀬慶輔市長でした。(1)は「接種券」にあるバーコードを事務員が読み取り、ワクチン接種の予約者であることを確認(身分証明書で本人確認)するエリアです。
↑左隣の(2)では事前に配布している「予診票」の不備(記入漏れ・ミス等)を確認します。
↑不備がある場合は記載台で記入する流れです。基礎疾患や服薬中などの相談がある場合は薬剤師が対応します。訓練ではアレルギー疾患や服薬中の人などが設定されました。
予診待合所の先にある(3)の予診エリアでは、医師が接種不適当者でないことを確認したり、接種要注意者に対する接種の判断をしたりします。
↑「予診票」の医師記入欄に接種可の署名をもらったら、(4)の接種エリアに移動します。
↑注射は看護師が行います。接種補助や薬液の充填作業も看護師の重要な任務になるそうです。
↑接種が終わったら、(5)で接種済証と予診票(本人控え)を交付します。
↑(6)の「接種後の状態観察」では15 分〜30 分程度、副反応の有無を確認します。副反応がみられた場合は救護スペースへ誘導する手順です。
訓練では実際に「気分が悪くなった」と訴える人が発生。
119番通報ののちに、この患者はストレッチャーで病院に運ばれていきました。(体調不良を訴えた方は上手な演技をされていました。)
↑最後に訓練の振り返りを行い、訓練は終了です。
〈振り返りで出た意見〉
・机のアクリル板が邪魔になっている。アクリル板の下に穴があれば、書類の受け渡しがスムーズになるのでは。
・お薬手帳を持ってきてもらえれば普段飲んでいる薬の把握がしやすい。
・基礎疾患や服薬中などの相談は時間がかかるので、もう少し人員が必要。
・接種の手順が漠然としたものだったので、訓練を受けて安心することができた。周囲にも接種をすすめたい。
・経過観察を15〜30分行うのは大変。時間の経過を把握したり急変した時の対応のために人員の余裕があれば。
・アレルギーのある人に札をつけるなど、すぐに分かるようにしておけばスムーズになると思う。
・高齢者は薬を飲んでいる人が多いので時間がかかる。車椅子など介助が必要な人がいた時の対応策も考えておくべき。
参加者から出た意見は今後、本番の実施に向けて活用されます。
新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける流れは、健康診断やインフルエンザの予防接種の受診に近い印象を受けました。
詳細なワクチンの供給量が判明していない、施設に入所している高齢者からの接種を予定しているなどの理由により、集団接種の実施時期や場所は未定ですが、寝屋川市内でもワクチン接種の開始に向けて準備が進んでいるのを実感できました。
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